INTERVIEW

横断型組織に向けた社内チームの変革。オンラインでも活気づく、チームマネジメントの秘訣とは。

INTERVIEW

2020年3月にミミクリデザインとの横断経営が開始してから、DONGURIには、少しずつ変化が起こり始めています。

2社が目指すのは、“イノベーションを、意図的に引き起こす”横断型組織。
前回は、「両利きの経営」を叶えるための理論として2社が開発した「クリエイティブ・カルティベーション・モデル(CCM)」について、インタビューを行いました。

今回は、横断型組織として新たにスタートした、DONGURIの中に巻き起こる変化にフォーカス。

社内でたくさんの対話が重ねられた結果、社内コミュニティの名称が変わり、さらには新しいコミュニティまで生まれたようです。

イノベーションが生まれる横断型組織は、どのように作られていくのか。
そのチームづくりの裏話やノウハウを、オンラインに移行したワークスタイルの変化と合わせて、5人のチームマネージャーに聞いてみました。


6つのコミュニティをブランドとして捉え、さらなる高みを目指す。

2020年3月、ミミクリデザインとの横断経営が開始し、DONGURI社内のチーム体制や名称が変更になりました。どのような変化があったのでしょうか?

熊本まずDONGURIのチームについては、以前にCIリニューアルの記事でお話ししたとおり、機能別だけではなく、内発的動機が近しい人同士で構成された「コミュニティ」となっています。
コンサルティングやファシリテートに強みを持つ「プロデュース」「ビジネスデザイン」、クリエイティブに強みをもつ「ブランドストラテジー」「クラフトマン」、各コミュニティを横断して組織づくりを行う「コミュニティ戦略」、という5つのコミュニティ編成になっていたんですね。
2020年3月のミミクリデザインとの協業後も、その構成やコミュニティのあり方はほとんど変わっていなくて。ただ、2020年2月でちょうどDONGURIの8期が終わって、3月からはミミクリデザインとの協業が始まるっていうタイミングだったので、それぞれのコミュニティが振り返りとか、これから向かう方向について対話を重ねていたんですね。その流れで、名称を変えるっていう話になっていったんです。

その5つのコミュニティは、どのような名前に変わったのでしょうか。

熊本「プロデュース」が「KITCHEN」に、「ビジネスデザイン」が「GARAGE」に。「ブランドストラテジー」は「GARDEN」、「クラフトマン」は「FURNACE」になりました。「コミュニティ戦略」は「TERRACE」になって、新しく「METRO」という、ミミクリデザインとDONGURIを横断するコミュニティも立ち上がっています。全部で6つになった形ですね。

すべて、“場所”がメタファーとなった統一感のあるネーミングですね。

熊本足並みを揃えたというよりは、自然とそうなっていったんです。

吉野最初は確か、KITCHEN(旧プロデュース)からだったかな。Slack上 で「コミュニティ名変えます」って会話があって、その名前のニュアンスいいね、ってなって。その流れのなかで、「うちも変えます」ってGARAGE(旧ビジネスデザイン)も変えていって。クリエイティブの2つのコミュニティも、その流れにのっていった形ですね。

五味今までのコミュニティ名は、それぞれ異なる内発的動機と専門性があって、そこから発揮される価値や機能を定着させていくっていうものだったんですよね。
でも8期の振り返りの中で、「コミュニティをブランドとして捉えて、より高みを目指す」というのと、「包括して見たときの統一性を出したい」っていうWILLがそれぞれにあって。タイミングとしてもちょうどよくて、全部のコミュニティが名前の変更に至ったって感じでした。

熊本ミミクリデザイン内のユニット(チーム)名が、IRORI、SUNABA、ENGAWA、という名称になっていて。それを知ったとき、ミナベ(DONGURI代表)も気に入っていたのを覚えてます。そして最初に決まったのが、「KITCHEN」という、たまたま“場所”のモチーフが合致したもので。DONGURIが掲げるビジョンも「PLAYGROUND(遊び場)」なので、それであれば統一していける方がいいよね、という流れになっていったんです。

最初に決まった「KITCHEN」には、どのような由来があるんでしょうか?

濱脇“場所”のモチーフで揃えるっていう、明確な意思決定があったわけじゃないっていうのは記憶していて。名前を変える意思はあったけど、ミミクリデザインの名前の付け方については、「これに囚われなくていいけど、参考までに」ってメンバーに展開していたんですよ。
僕たちのコミュニティは、それぞれ専門性が異なっていて。3人とも違うことやってる以上は職能で括ることはできないねって話をしてたんです。その流れで、ミミクリデザインに合わせることが目的でないにしても、“場”っていうのは僕たちのコミュニティのあり方を表すのにちょうどいいよね、っていう話をして、KITCHENっていう名前になったんですよね。

KITCHENのメンバー。(左から)戦略モデリスト 濱脇賢一、コミュニケーションプランナー 田島一生、音楽プロデューサー 大久保潤也。

熊本他の候補って、どんな案が出てたの?

濱脇「ALBUM」とか、音楽系の案もありましたね。やっぱり「プロデューサー」も意外といいんじゃない? みたいな話にもなったり(笑)。

熊本一周回って(笑)。

濱脇そう、原点回帰(笑)。“場所”に限定して案出しをしていたわけじゃないので、そこはあくまでも結果論ですね。

“場所”にも色々あると思うんですが、「KITCHEN」に決まった理由は何だったのでしょうか?

濱脇「職能じゃない」なら、どこにフォーカスするか?というところから始まって。過去のプロジェクトの成功体験とか今後プロジェクトしていきたい方向とか、それらに対して、自分たちはどこに楽しみを感じているのか? という言語化を、メンバーと重ねていったんですね。
僕たちとしては2つあって、「お客さんを巻き込む」ところと、「結果・成果にこだわる」ところ。そうすると、「料理を提供して喜んでもらう」っていうのに近いねっていう話になって。
自分のこだわりの料理だけ作る、っていうよりは、お客さんに喜んでもらって、それが自分にとっても喜びになる、みたいな。オープンキッチン、人を巻き込むキッチン、っていうふうになっていければ、世にも珍しい素敵なキッチンになるんじゃないかっていう、そんなイメージで決まっていきました。
“お客さん”というメタファーには、市場とか、エンドユーザーとか、色々含まれてるんですけど。誰に食べてもらうか、というのは間違っちゃいけないよね、という話をしていましたね。

 “らしさ”を探して、6つのコミュニティが重ねた対話とは。

その後に決まったのが、「GARAGE」でしたよね。

早川そうですね。「ワクワクしながら作戦を立てる、企てるコミュニティでありたい」という思いに由来しています。
企業や事業の目標を再設定して、その課題を解決する方法をデザインして、実行まで伴走する。そういうあり方を目指したい、という対話をしたんです。「うんうん唸って苦労して」っていうよりも、「ワクワクしながら楽しく熱中していきたい」、と話していたときに、「GARAGE」という言葉にたどり着いたんです。
オープンスペースよりも限られたスペースで、秘密基地みたいな感じもあって、というイメージだったので、モチーフとしてGARAGEがぴったりだったんです。あと結構、海外のスタートアップ企業、AppleとかGoogleのオフィスもガレージからスタートしているんですよね。そういうビジネス的な観点からも合致していて、「これがいいね」って全員の意見が合致した感じでした。

GARAGEのメンバー。(左から)ファシリテーター 早川将司、リサーチャー 矢口泰介、ブランドコンサルタント 吉田稔。

熊本五味さんのところとの、戦争の話もした方がいいんじゃない?(笑)

戦争!?

早川そうそう、殴り合いの(笑)。

五味取っ組み合いのね(笑)。GARAGEコミュニティのガレージには、血がついているっていう……、いや、まあ冗談ですけど(笑)。っていうのも、うちも名前変えようって話していて、ちょうど早川さんの真裏で「GARAGE」に決まっていたんですよ。

え! そしたら、まったく同じタイミングだったんですか?

五味そう、まったく同じで(笑)。というのも、もとの「クラフトマン」という名前も、職人性を表していて気に入ってたんです。「クラフトマンを体現する場所のモチーフはなんだろう」と考えて対話を重ねていったときに、遊び場、秘密基地でいろんなものを作っていくっていうところがマッチして「GARAGE」に決まったんですね。
で、ちょうどSlackで送ろうとしたら早川さんから「決まりました!」って。全員で愕然とするという(笑)。

五味で、早川さんとも「どうする?」という会話をしたんですけど、最終的には僕らが新しい名前を決めることにして、新しく対話し直すフェーズに入ったんです。

結果として「FURNACE」にたどり着いたということですね。これには、どのような由来があるのでしょうか?

五味基本的には前提の条件は変わらず、「自分たちのクラフトマンシップをいかに体現できるか」を考えていったんです。そしたら、メンバーの一人から突然「VOLCANO」(火山)という名前がでてきて、「MAGMA」とかも「“中二病”っぽくて良くない?」って盛り上がって。最初は驚いたんですけど、よくよく考えたら、僕らは情熱を注いでものづくりをしてるんですね。熱、火を扱う場所っていうのは僕たちらしいかもしれない、というところから、「FURNACE」にたどり着いたんです。
「FURNACE」って、鋳造炉、かまど、とかそういう意味があるんですけど。熱で鉄を打ってものづくりするっていう火の部分だったりとか、ちょっと泥臭い感じっていうのが職人を表すのに適してるなと。覚えにくいかなと心配もしたんですけど、他の人が絶対に思いつかない名前だからいいじゃん、っていうことで、決まった感じでしたね。

確かに、絶対被らなさそうですね。

五味裏で、ゆくゆくはコミュニティのWebサイトを作ろうって話してたんですけど。クリエイティブの分野でFURNACEって検索しても見つからなかったんで、これは“取れる”ぞ、と(笑)。独自性の強いネーミングにできたので、結果的にはよかったなと思います。

FURNACEのメンバー。(左から)プロダクトデザイナー 五味利浩、Webデザイナー 永井大輔、タイポグラフィックデザイナー 今市達也、モーショングラフィックデザイナー 中園英樹。

もうひとつのクリエイティブコミュニティ、GARDENはどのように決まったのでしょうか?

吉野名前自体は結構あっさり決まったんです。もともと、ビジョンとして「プラットフォーム」、ミッションとして「インストール」っていうのは言語化していたので、場所でコミュニティを想起させるメタファーとして何がいいかな? って問いかけたら、メンバーがいっぱい候補をあげてくれて。それぞれの名前の理由も追記してくれていたり。
プラットフォームとかインストールもそうなんですけど、物事とか、関わる人が成長していくイメージっていうのが共通認識としてはあって、それで候補の中からGARDENがしっくりくるねっていうことで。名前自体は結構さらっと、Slack上で決まったっていう感じですね。育んでいく、というところも、メタファーとしてすごくしっくりきたので。

GARDENのメンバー。(左上から)ブランドデザイナー 吉野拓人、クリエイティブデベロッパー 遠藤雅俊、スクラムマスター 高田洋明、アートディレクター 吉田直記、アイデンティティデザイナー ヒロ・カタヤマ、デザイナー 山本紫織。

続いて、「コミュニティ戦略」はTERRACEとMETROに分かれたんですよね。この、コミュニティが分かれる話はもともとあったのでしょうか?

熊本はい。3月からミミクリと資本提携して横断組織になるタイミングで、コミュニティの役割を改めて明確に定義しよう、という話になっていて。もともとの役割としては、DONGURI全体の横串というか、各コミュニティが楽しむことを促進したりサポートする感じだったんですね。
その上で、もう一回改めて、やるべきことや優先順位を整理したんです。結果として、バックオフィスと、プロジェクトを推進するプロジェクトマネジメント(PM)という2つの機能が必要だねっていう話になり、2コミュニティに分かれることになったんです。その流れで、名称も決めていきました。

バックオフィスとPM、それぞれの名前と由来はどのように決まっていったんでしょうか?

熊本バックオフィスがTERRACE、PMがMETROという名前になりました。もともと、「コミュニティ戦略」にはミナベも入っていたんですね。で、2つに分かれるタイミングで離れることになったんですけど、そのときにメンバーへのお土産、みたいな感じで案を出してくれて。TERRACEの元になったのは、その中にあったPATIOっていう案なんです。

吉野熊本さん、テラス好きですもんね。

熊本そうなんですよ。飲食店でもテラス席とか、開放的なのが好きで。DONGURIの新オフィスを探すときにも、テラスのあるオフィスがいいなあって言ってたんです。今のオフィスも、屋上にテラスがあるのですぐに惹かれました。
自分が好きだっていうのもあるし、TERRACEにある、開放感のある中庭、っていうイメージがバックオフィスをする上ではオープンな経営っていうところと繋がるなあ、とか。何かあったときにフラリと立ち寄って、コミュニケーションの糸口のような機能でありたいなっていうのがあって、すごくしっくりきたんです。

TERRACE 組織コンサルタント 熊本ひとみ

METROの方は、どのように決まっていったんでしょうか?

熊本METROのコミュニティオーナーはまた別のメンバーなんですけど、仕事のスタイルとして、いろんな人と手を組みながら水面下で進めていく感じのやり方なんです。
地下鉄がモチーフになった理由は、TERRACEとの対比というのも考えていたみたいで。ミミクリデザインとDONGURIを横断するという機能に加えて、2社の各コミュニティと連携したりとか、クライアントワークで外の企業の中に入っていろんな動きをしたりとか。そういうスタイルが、駅を結んだり、いろんなものを運んだりする地下鉄のイメージに合致したみたいですね。

こうして6コミュニティそれぞれのお話を聞いていると、名前そのものもそうですが、成り立ちの過程にも“らしさ”がありますね。

五味コミュニティの性質が表れてますよね。僕らはもう、戦争しながらやっていくっていう(笑)。

オンラインになってから、コミュニケーション量が増えた理由。

期も変わりミミクリデザインとの横断経営も始まり、気持ちも新たになるタイミングであった一方で、3月からはリモートワークへの切り替えもスタートしました。リモートの前後で、どのような変化がありましたか?

五味オフラインで顔を合わさない分、逆にというか、コミュニケーション量が増えてるかなと思います。

早川皆がオンラインで発話したくなってる、みたいな感じはありますよね。
GARAGEではもともと毎日20〜30分くらい、朝会で各自のアクション共有をしています。ただ、オンラインになったときに変えたのが、冒頭の10分で今の状況とか雑談をするようにしたこと。オフラインで顔を合わせていない分、自分が不安になってるところとかあったりするので、そこを一旦吐き出して、お互いに情報を交換した上で進めていくっていうのは意識していて。家庭のこととか、オフラインだと喋らないだろうなっていうことが話されるようになったのは、変化として感じますね。

五味FURNACEも定例の頻度を増やしたり、というのもあるんですけど。もともと今期のコミュニティOKRとして、対話する内容が組み込まれてたりするんですよ。例えば自分のベンチマークというか、仮想ライバルのような人を設定して、その人についてプレゼンして語り合う、みたいな場を設けていたり。
あと、今までやっていたコミュニティ内のイベントも引き続きキープしています。昔からやってる映画鑑賞会を、オンラインでも続けてるんですよ。鑑賞中は音声だけ繋げて、終わった後に感想を語り合うっていう。

吉野GARDENも、メンバーとの1on1の時間を月一から隔週に増やしたり、業務でも毎朝アクションや状況の共有を行ったりして。もともと8期の終わりに、コミュニケーション量を増やしたいねっていう話をしていたんです。なので、リモートワークになっても引き続きそれに取り組んでるっていう感じですね。

五味あと、クリエイティブの2コミュニティでは、メンバーを混ぜこぜにした「シャッフルランチ」もやってます。リモートと関係なくもともと計画していたものなんですが、当初は月に1回の予定だったのを、週一回の頻度に増やしています。
そんな感じで、コミュニティの垣根を越えた皆の状況や課題を、情報収集できるように意識していて。コミュニケーションが、オンラインになったことでかえって厚くなったところもありますね。

オンラインでのシャッフルランチ、素敵な取り組みですね!

吉野クリエイティブのコミュニティは全部で9人いるんですが、毎回メンバーを変えて、3人3組に分けて行うようにしていますね。

五味当初の目論見どおりというか、各個人で普段なら交わさない内容とか、仕事についても会話量が増えてて。それはよかったなって思ってます。メンバーそれぞれ、本とか集めてるものがあったりするのがあるので、“共有のしやすさ”はリモートの方があるな、と。おすすめの本について話しながらチャットでURLをパッと送ったり、本棚がすぐそばにある状況なので、取り出してビデオ通話で見せたり、みたいな感じで。

それは確かに、オンラインならではのコミュニケーションですね。その他に、リモートになってから新しく始めた取り組みってありますか?

熊本DONGURI全体でいうと、朝会のやり方を少し変えましたね。週に一回全員で集まって情報共有をするんですが、オンラインだと20人がビデオ通話に集まる状態ですよね。こういう定例会って、オンラインだと淡々と進みがちで、ちょっとした雑談とか近況報告っていうのが失われてしまうっていうのが体感としてあって。
なので、私たちはオンラインでのチェックインを特に大事にするようにしています。新しく会議が始まるときに、雑談とかお互いの心身状態を共有して、アイスブレイクのきっかけにしたり、そういうツールを導入したり。
あとリモートになってから、ミナベが「今週のミナベ」っていうSlackマガジンを送ってくれるようになったんですよ。「今週はこういうことやっています」、「こういうのがいいですよ」っていう本当に何気ない日常のことが共有されているんです。加えて、最近は朝会でもそれを発信したりしていますね。

オンラインで失われてしまいがちなものを、意識的に維持されていっているんですね。

熊本あと、これは自然発生的にっていうところなんですけど。DONGURIの濱脇とミミクリのあるマネージャーが中心になって、ミミ&グリでの事例共有会を交流会も兼ねてやろうっていう企画が自主的に立ち上がっていたりもしています。

自然発生って、理想的ですね! 各コミュニティの取り組みもそうですが、環境がオンラインに変わっても対話の機会を絶やさないことで、個人の内発的な動機がどんどん発揮されて、組織へ循環していくのだろうなと感じます。

熊本そうですね。私たちがなにか仕掛けたってわけではなくても、マネージャーとかリーダー、メンバーのボトムアップ的なもので、発信されるようになってきたように思います。

オンラインで実施された月次報告会のグラレコ。楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

それでは最後に、各コミュニティのこれからの目標や、挑戦していきたいことを教えてください。

早川GARAGEは今後、クライアント企業に対して外部CXO(Chief Experience Officer)の立場でボードメンバーとして参画していきたいと考えています。そのためにも結果が見えるように実績を作っていくのと、顧客体験(Customer Experience)の向上を実現させるために、ビジネス面だけではなく、テクノロジーの知見も高めていきたいなと。
例えば、何か「商品を売って届ける」っていう流れがあるときに、届け方次第でCXに違いがでますよね。テクノロジーに関するトレンドもしっかり追って、お客さんに一番心地いい体験を届けるにはどんな手法を選択すべきなのか?っていう知識の幅を広げていきたいですね。

五味FURNACEは職人性のあるメンバーが多いので、「好きなことで、どれだけ相手をドキドキさせられるか」っていう考え方がベースになっています。今期については、職人性を改めて原点回帰しようかなと考えていて。作るもののディティールにどれだけこだわって、見た人により感動を与えられるかっていうところに今まで以上に注力していきたいなと。変態性をどれだけ見せていけるか、みたいなところがありますね(笑)。
最終的には、今まで生きてきた中で誰も見たことがないもの、最高傑作を作り出すっていうのをコミュニティのOKRに掲げていて。だいぶ大きなことを言っていますし、プレッシャーもあるんですけど、それでもやっていこう、っていう気概がコミュニティ内にみなぎっていますね。

濱脇KITCHENは2つあって、1つ目が採用、2つ目が“知の探索”の試みです。採用は本当に強化したいなと、メンバー全員が思ってて。僕としても、新しいメンバーのジョインはコミュニティの成長に必要だと感じています。下期に向けて本格的に取り組んでいきたいなと思うので、その準備を進めていきたいなと。
探索については、ミミ&グリで推進している「両利きの経営」の“知の探索”を、コミュニティ内にアセットしたらどうなるのかな、と考えていて。OKRとは別に各個人で探索を試みる、というのを今やってます。探索で得た知見を、ゆくゆくは、社内外のプロジェクトに繋げていけたらいいなと思っていますね。

吉野GARDENも「両利きの経営」の考え方を取り入れているので、知の深化と探索に分類してお話しすると、知の深化はコミュニティ作りの面で、メンバーのセルフマネジメント力や、コミュニティ力を底上げする取り組みを進めています。あとクリエイティブ全般に言えるんですけど、エンジニアの方の採用も強化したいので、そのためのコミュニティとしての情報発信とか。さっきFARNACE が言ってたコミュニティのサイトを、GARDENでも作りたいなと考えています。DONGURIのクリエイティブが持つ2面性を打ち出しながらも、個人を立たせて発信していきたいですね。
知の探索の面では、アートの文脈とか美しさのルーツとか、根源にある情報を可能な限り取得していきたいなと。そういう探索を、自分たちのクリエイティブの発想に繋げていけたらと思ってるんです。スキルの面では、Web実装における3D表現も、たくさん挑戦していきたいです。

「両利きの経営」が、コミュニティ内でもまさに実践されようとしているんですね。

熊本ミミクリデザインとの横断経営が始まり、TERRACEもMETROも組織を横断する機能として、2社の接合ポイントをいかに増やすか、というところに注力しています。
ミミ&グリで掲げている「両利きの経営」を促進するためにはどうすればいいのか? ということ自体が、自分たちの探索テーマにもなっているんです。横断経営になってから既にたくさんの変化が表れてきているので、その変化を楽しみながら、新しい組織のあり方を見つけていきたいですね。


一人ひとりが対話を重ね、様々な変化すらも楽しむ姿は、今まさに、豊かな創造性の土壌が耕されている証拠なのでしょう。

ミミ&グリ2社の歩みは、まだ始まったばかり。
DONGURIの中に吹き込む新しい風は、ますます多くの芽吹きを巻き起こしています。

WRITTER
田口友紀子
PHOTOGRAPHER
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  • 熊本ひとみ

    中央大学卒業後、レイス株式会社に入社し、スカウト事業の立ち上げからバックオフィス部門マネージャーを務める。その後、Webマーケティングを手掛けるヴァンテージマネジメント株式会社にジョインし、組織風土文化形成を行うチームメイキング部門のマネージャーに。在籍時代、GPTW「働きがいのある会社」4年連続ランクイン。2017年よりデザインコンサルティングファーム・株式会社DONGURIにてクライアント・自社の組織デザインを行う。

  • 濱脇賢一

    筑波大学理工学数学類卒。大学在学中よりコンサルタントとして独立し、創業支援や事業計画の立案、広告戦略立案や地域ブランディングに従事する。また、長期での大手製造業内にてBPRによる業務改善、中期での経営企画部・営業部へのハンズオンコンサルティングも経験。2018年よりDONGURIに入社。

  • 早川将司

    商品・事業開発 / 組織開発において、デザインプロセスを用いたコンサルティングで課題解決を行う。特にワークショップにおけるコンテンツデザインを得意とし、Co-Designの手法を取り入れる。

  • 五味利浩

    東京造形大学デザイン学科グラフィックデザイン専攻卒。卒業後代表ミナベトモミとDONGURIを創業。クラフトマンチーム室長。消費財を中心に、VI制作からプロダクト・パッケージまで一貫したブランディングに携わる。

  • 吉野拓人

    シャープ株式会社で3Dディスプレイ開発に約5年携わったのち、デザイナーへ転身。企業やプロダクトのCI・VI / Web / パッケージ などのデザインを行う。現在はチームリーダーを務めながら、「感情を動かすモノづくり」を目標に「モノ起点」のブランディングに重きを置いている。

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